12月 21, 2022
「編集部が選ぶ○○、3選」、「絶対におすすめしたい△△、10選」
こんなキャッチに食傷気味な方も多いのではないでしょうか?
そんな中、こちらの記事をクリックいただき、ありがとうございます!
世に溢れる「~選」記事とは、一線を画すクリスマス前ならではの豪華なプレゼンターとともに、慌ただしい年の瀬の疲れを癒し、吹き飛ばしてくれる素敵なお持たせワイン3選をご紹介します。
(せっかくなので、ぜひご家族・ご友人と楽しんでください)
ブルゴーニュワイン委員会のセミナーに登壇している近藤講師
銀座三越の目の前にお店を構える老舗フレンチ「銀座レカン」に最年少で飲料統括マネージャーに抜擢された近藤さんが紹介してくださるのは、王道シャンパーニュです。
https://college.wineplus.jp/collections/sparkling/products/weca0105b
近藤さん曰く、
「オレンジコンフィ、ポプリやアカシアの蜂蜜のような複雑な香りが穏やかに立ち上がり、舌に溶け込むように口中に広がる非常に繊細でエレガントなスタイルのシャンパーニュ。」
それもそのはず、カステルノーにおいて特筆すべきは熟成にかける時間の長さ。
1年で7年分の時が進むとも言われるドッグイヤーを生きるIT業界やリニア新幹線の登場でどんどん時間の流れが速くなっていく現代同様、近年ではシャンパーニュでもワインのリリースは回転が速くなってしまいました。
実際、2022年現在蔵出しのヴィンテージシャンパーニュの多くは2012年や2014年ものが多いです(これでも8年~10年経ってると思えば十分にすごいのですが…)。
しかし、こちらの2007年ヴィンテージは、カステルノーが15年という月日、あたためにあたためて今蔵出しされたばかりのものです。
どんなお食事に合わせるとよいか近藤さんにうかがったところ、
「ちょうどこれからの季節だと焼き蟹や海鮮鍋など、素材の味を活かした料理との相性は素晴らしいです。日本の冬の食材との相性が楽しみな一本です。」
クリスマスや大晦日のホームパーティーに向けて、ちょっといいお食事の準備を進めている方にはピッタリの一本ですね。
次の豪華プレゼンターは、シャガールやユトリロなど美術館顔負けのお店を構えるグランメゾンのシェフソムリエ情野さん。
NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』にも登場したまさに職人ソムリエです。
ご紹介いただくのは、
https://college.wineplus.jp/collections/red-wine/products/wemv0104b
「ん、ムーランナヴァン?なにそれ?」
と思われた方も多いのではないしょうか。
たしかに、なかなかなワイン通でないとムーランナヴァンという言葉にはあまり馴染みかもしれません。
しかし、ボージョレというと聞いたことある、という方も多いはず。
「でも、ボージョレって、あのヌーヴォーのところでしょ?」
そんな声が聞こえてきそうです。
でも、その思い、情野さんにも見透かされているかもしれません。
「アピシウスの少しマニアックなお客様にお出しした所『ボージョレだろ!と飲んでみたもののガメイの概念が変わった』と言われ「よし!」とほくそ笑んだワインです。」
そもそも、ボージョレとはフランスのワイン産地の一つで、そこで造られる新酒がボージョレ・ヌーヴォーなのですが、あくまで一つのカテゴリーにすぎません。
ボージョレ地区にはさらに細かい区分けがされており、その中でも特別な環境が整った優位性の高い10のエリアがクリュボージョレと呼ばれており、ムーランナヴァンもその一つです。
世界中のワイン事情に精通する情野さんをして「ガメイの時代はすぐそこに来ている』と確信している」と言わしめる注目すべきエリアなのです!
*ガメイはボージョレ地区で造られる黒ブドウ品種
実際にこれまでこのワインの2015年と2019年ヴィンテージは、アピシウスさんに買い占められており「果実味の豊かさとピュアな軽やかさの共存が「ありそうで意外にない」ワインです。
「今流行りのアジアンフードにも見事にマッチします。」と太鼓判をいただいております。
最後は、世界最古の英国ワイン商やグランメゾンでの経験を活かし、現在はインポーターでもあるワインエクスペリエンスの田上さんにご紹介いただきます。
https://college.wineplus.jp/collections/red-wine/products/wejr0107b
シノンという言葉を聞いて、ピンときた方は相当なワイン通です。
ヘミングウェイの小説などでも度々登場する歴史的なワイン銘醸地ですが、日本では「青臭い」と敬遠される方もしばしば。
もしシノンと聞いて、ネガティブな反応をされるワイン仲間が近くにいらっしゃったら、「その情報、アップデートできてないよ」と優しくお伝えください。
「歴史的銘醸地で、真摯な生産者が丁寧に造るとこんなに素晴らしいワインができる、というとても良い一例だと思います。」と田上さんもおっしゃるように、歴史という時の試練を超えてきた産地にはやはり簡単に切って捨てることのできない本質が眠っています。
そもそも「シノンには川沿いの平地で砂質の土壌からできる軽やかで華やかなタイプと、シノン城に続く粘土石灰土壌の斜面で造られる骨格のしっかりとしたタイプの2つがある」そうで、こちらのラフォーはシノン城へつながる道中で造られる後者のタイプです。
「しなやかなエレガントさの中にある芯の強さが印象的な一本。」と年の瀬に1年を振り返るには最適な一本かもしれません。
12月に入り、寒さもまして年の瀬を思わせる気候になってきました。本記事がホリデーシーズンを彩るワインのお手伝いとなれば幸いです。
© 2024 @ THE WINE EXPERIENCE Co., Ltd.