3月 28, 2023
「174、7、8、2、7、1」
なんの数字がわかるでしょうか?
実は、これ『五感で楽しむドイツワイン』を構成するパーツなんです。
・174枚のスライド
・7つの動画
・8つの岩石標本
・2品の料理
・7杯のワイン
・1人の講師
それぞれがドイツの高級機械時計さながらに歯車のごとく噛み合わさって、『五感で楽しむドイツワイン』という授業を作り上げています。
もちろん、余分なものは一つもありません。
"Vier Augen sehen mehr als zwei. (四つの瞳は二つの瞳よりも多くのものを見ることができる)"
というドイツのことわざのように、たくさんのパーツがあることで、解像度はより高くなるのです。
大上段に構えてしまいましたが、ご安心ください。
講師の宮本駿さんはとっても丁寧な先生で、授業自体もとても親しみやすいものです。
その証拠に、授業開始から乾杯までの所要時間は、わたしの記憶の限り、最速でした(笑)。
本授業は、とにかく色々な角度からドイツワインを掘り下げていく!というものですが、どの回から参加していただいても理解できるように作られています。
冒頭でもお話しさせていただいたように、動画の視聴や岩石標本、料理の試食、ワイン試飲などを組み合わせながら、タイトル通り五感を通じて学んでいくスタイルです。
わたしがレッスンレポートを書くために参加させていただいたのは、2023年3月23日に行われた『五感で楽しむドイツワイン~ピノ・ノワール一刀両断~』と題されたドイツのピノ・ノワールに特化した授業でした。
最初の乾杯は、ファルツのピノ・ノワールを使った白ワイン、ブラン・ド・ノワール。
乾杯の美味しいワインに舌鼓みを打っていると、宮本先生の解説が始まります。
その後は、授業中に道に迷うことがないよう、その日の流れを記したスライドが出てきて、宮本先生の自己紹介、先生が取締役を務めるヘレンベルガーホフの紹介等、懇切丁寧な紹介が続きます。
もちろんワインについても、ドイツと日本の国土比較からはじまり、ワイン産地の位置、気候、地勢にブドウ品種の説明にと、痒いところに手が届く安心設計。
解説を聞きながら、地域違い、クローン違いのピノ・ノワールの飲み比べなどを行い、さらに間に挟まる現地動画を見れば、ドイツワインのことはだいたいわかったような気分になっていくこと間違いありません(実際ちゃんとわかります!)。
とても印象的だったのは、宮本先生が現地で採集してきた、粘板岩や石灰岩などの岩石標本です。普通だったら、「まぁ、石。」くらいの感想しかいだかない気もするのですが、自分が今飲んでいるワインの生まれ故郷のモノだと思うと、また別の見え方になっていきます。
受講者の方も熱心に触ったり、写真を撮ったり、はては匂いを嗅いでみたり、とされていたり。
お酒がまわったおぼろげな記憶をたどってみると、授業中の最初の質問も石についてだったような…。傍から見ると、変わった人達の集まりのようにも思いますが、実際に結構楽しめます。
冗談はさておき、宮本先生の初学者にも優しい丁寧な説明と、ワインを飲み進めた後半に時折見せる熱のこもったマニアックな解説、冷静と情熱の間といった感じの絶妙なバランスは本講座のひそかなお楽しみポイントです。
そして、一番大事なワインの味は、というと。
やっぱり美味しいです!インポーターならではの「えっ、そんな飲み比べもさせてくれるんだ」という面白い体験から、「そんな大事なもの開けちゃっていいの?」という貴重な体験まで。
特に、ご逝去されたドイツ赤ワインの立役者ベルンハルト・フーバーの説明から、
「実は今飲んでいるのが、彼のラストヴィンテージです。彼が生前最後に語った言葉を知っていますか?『次に会う時はみなさんのグラスの中で』なんです。」
という展開には、みなさんざわついていらっしゃいました。
この授業のすごいところは、終わると始まるところなんです!
どういうことかというと、各授業後に懇親会と称した、ドイツワインのコミュニティづくりの会と称した、飲み会が開かれるのです。
授業の内容とリンクして、プラスアルファのワインを開けつつ、おつまみを楽しむ会が毎回含まれている授業なんて、『五感で楽しむドイツワイン』くらいじゃないでしょうか?
終始、宮本先生のドイツへの熱いパッションと受講生の方にわかりやすく説明しようという二つの思いが攻めぎ合う、冷静と情熱の間のドイツセミナーに興味が湧いた方は是非一度受講してみてください。
セミナーURL:https://college.wineplus.jp/collections/shun-miyamoto
最後に余談ですが、宮本先生の授業は時間ぴったりに終わります。21時に終わるのではなく、21時00分00秒に終わります。さすがは、199個のパーツで造られた高級機械時計『五感で楽しむドイツワイン』!
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