2月 24, 2023
ワインを飲むとその造り手の人柄が垣間見える。
そんな言い回しをワインの世界ではしばしば耳にしますが、より大胆に生産者丸ごと味わうという気概を見せてくれるのが千葉芳裕先生です。
*千葉先生がオーナーのNEW VALLEYの仲間たち
専門学生時代の千葉先生は、夕方ごろに活動をはじめクラブに行って朝帰り、というまさに不良学生だったそうです。
「学校には全然行ってなかったけど、友達は一番多かった。」
千葉先生のヒト好き、楽しいこと好きな性格はこの頃から顕在です。しかし、そんな生活で卒業ができるわけもなく学校を中退して、バイト先だった飲食店で働く日々。受付の女の子目当て異動を決めたワインバーで初めてワインと向き合うことになります。
当時千葉先生の地元仙台ではワインを勉強するにも場所があまりなく、真剣にワインを学び、ワインを仕事にしていくために、上京を決めます。
東京ではインポーターとして、高価なレアワインから比較的リーズナブルなワインの営業、外資系企業でのワイン事業の起ち上げ、世界最古とも言われる英国ワイン商での経験を通じて、様々なワインビジネスの在り方と向き合っていくこととなります。
そんな中で千葉先生の中である二つの思いが芽生えます。
「レストランや酒屋さんを相手にワインを売っていると、どうして知名度先行でものが売れてしまうことがあり、知名度はないけど本当に良質なワインが見過ごされてしまうことが一売り手として歯がゆかった。」
売れるワインと良いワインが必ずしも一致しない、良いワインが売れるワインとは必ずしもならない。ワインの先のヒトを見ている千葉先生だからこそ、良いワインを造った生産者が正当に評価される、そんな当たり前を実現したいのかもしれません。
そしてもう一つが、
「お世話になっていたソムリエさんやワイン関係の人が、気が付いたら業界を離れてしまっている。そんなことがこの業界ではよくある。それはワインで食べていくこと、食べていき続けることの難しさを表しているんだと思う。ワイン業界を志した人が、最後までワイン業界を歩み続けていけるビジネスモデルを確立したい。」
こちらもワインとヒトを常に一対で考える千葉先生ならではの思いです。
この二つのジレンマと真っ向から向き合うために、千葉先生は自分自身で事業をおこし、二子玉川というローカルで消費者の顔が見えるワインショップNEW VALLEYと飲食店ファミレス by NEW VALLEYをオープンして今日に至ります。
「知名度のような他人が作った指標ではなく、良いモノをいいと評価してくれる、いい意味でピュアなお客さんに恵まれています。やりたい、と思ったことをすぐに実行に移せるハコがあることも一つの強みです。」
とすでに一つの地域に根差して、ワインショップ、飲食店などを展開していくワイン版ドミナント戦略が奏功しており、一つのビジネスモデルとして確立しつつあるようです。
そんな千葉先生が受け持つセミナーは『日本ワイン 推しのススメ』です。
https://college.wineplus.jp/collections/yoshihiro-chiba/products/wpccourse005
実際に千葉先生が出会って、飲んで、会話した生産者さんのワインを、ウラ話満載のトークを聞きながら飲んでいただくことで受講者の皆さんに推し(お気に入り)の生産者さんを見つけてもらおうというセミナーです。
ちなみに千葉先生の推し(の一人)はドメーヌアツシスズキの鈴木 淳之さん!毎年、着実な進化を見せてくれる真面目な造りには毎年期待ができ、進化にともなう成長痛すら良い意味で考えさせられるワインを造ってくれるのだとか。
昔から自宅に人を招いて、みんなでワインを飲むのが大好きな千葉先生の「最後の晩餐」は、意外にも、セブンイレブンのカクテキとレモンサワー!
やはり、千葉先生にとってワインはみんながフラットに接し、楽しむためのツールであり、千葉先生が本当に興味あるのはワインの向こうにも、グラスの向こうにも見えるヒトに違いないのです。
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