7月 24, 2025
日本にすでに何千・何万ものワインがあるなか、輸入されてきたワインには何かおもしろい理由があるはず。ワインの仕入れの舞台裏にせまる企画「輸入の流儀」。
今回は、ニュージーランドでワイン醸造を行う日本人、小山浩平さんのグリーン・ソングスを輸入する株式会社サザンクロスの代表取締役、檀原正広さんにお話を伺いました。
大学卒業後に渡豪した檀原さんとグリーン・ソングスの出会いは、ニュージーランドのネルソンにいた知人の紹介でした。
当時、すでにサザンクロスを創業していた檀原さんは、「後輩がワイン造りを始めるから一度話を聞いてくれないか?」と相談を持ち掛けられます。
その知人の後輩こそが、グリーン・ソングス(当時、アタマイ)の醸造長であった小山さんだったのです。
グリーン・ソングスについて説明する前に、小山浩平さんについて、説明しましょう。
小山さんは東京大学を卒業後、東京・ロンドンの金融機関で11年働き、ロンドン駐在時にワインに惚れ込みます。ニュージーランドへ移住し、ワイン醸造の権威であるリンカーン大学に入学、ブドウ栽培・ワイン醸造学科を首席で卒業しました。
卒業後はニュージーランドとカリフォルニアのワイナリーで経験を積み、2014年にアタマイを起ち上げます。
アタマイ・エコ・ヴィレッジという環境負荷の少ない、共創型のまちづくりを行うエコ・ヴィレッジでワイン造りをスタートします。
次第に規模が大きくなるにつれ、エコ・ヴィレッジ内ではブドウが足りなくなり、より広くブドウを集めるため、2017年にグリーン・ソングスへ改名したそうです。
その後、小山さんが、「富乃宝山」等の芋焼酎で知られる西酒造所有のUrlar/アーラー(ニュージーランドワイナリー)の醸造長に抜擢されたことで、グリーン・ソングスは新しいことに挑戦していく実験的ワイナリーとしての性格を強めていきます。
話は戻って、日本で小山さんと会うことになった檀原さんは初めての決断を迫られます。
それは、ワインを試飲することなく、取引を決めるというものでした。
当時はニュージーランドでワイン醸造を行う日本人に注目が集まっていたこともあり、檀原さんとしても日本人生産者との取引は実現させたいという思いはあったそうです。
「あとにも先にもワインを飲まずに取り扱いを決めたのは、小山さんのワインだけです。そもそもワインがなかったので仕方なかったのですが(笑)」
小山さんと話をして、コンセプトを理解し、ヒトとなりを知れたことで、一歩を踏み出すことができたと述懐します。
ファーストヴィンテージにあたる2014年、檀原さんも収穫から仕込みまで現地にも足を運んで伴走し、出来上がってきたものを飲んで、自身の決断が間違っていなかったことを知ることになります。
日本に輸入してみると、品質もさることながら、日本人生産者という話題性もあり、創業4年目だったサザンクロスの顧客を倍増してくれたと言います。
「必ずしも安い価格帯ではないので、知っていただくべき方に知ってもらうという努力を心がけています。他のニュージーランドワインと比較すると、旨味もあり、繊細なお料理に合わせやすく、和食店をはじめ幅広く使っていただいています。」
グリーン・ソングスがはるばる日本までやってきた理由は
1. これからワイン造りを始める小山さんと日本人生産者を探していた檀原さんの巡り合わせ
2. ワインがなくても決断を下した檀原さんの思い切りと小山さんのヴィジョン
3. サザンクロスのポートフォリオにない日本人らしい旨味と繊細な味筋
ということでした。
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