4月 18, 2025
日本にすでに何千・何万ものワインがあるなか、輸入されてきたワインには何かおもしろい理由があるはず。ワインの仕入れの舞台裏にせまる企画「輸入の流儀」。
今回は、ワイン大国フランスでも決して有名産地とは言えない、タヴェル、リラックの生産者ドメーヌ・マビーを輸入するワインエクスペリエンス株式会社バイヤーの田上健一さんにお話を伺いました。
田上さんがドメーヌ・マビーと出会ったのは、仕事でイギリスや香港に行っていた頃。レストランやワインバーで度々飲んでいたというドメーヌ・マビーの印象は、「美味しいけど、ラベルデザインがピンとこない」生産者でした。
とはいえ、伝統的な造りを大事にしているマビーのワインを見かければ、飲んでいたと語ります。
そんな消費者としての出会いから、仕事の付き合いに発展するのは、数年後のワイン展示会でした。
味わいについては好印象を持っていたので、ブースに寄ってみると…
そこにはラベルも味わいも進化したドメーヌ・マビーがいました。
大いなる進化に感銘を受けた田上さんは、その半年後には現地ワイナリーを訪ねることとなります。
ドメーヌ・マビーは、南仏のタヴェルに本拠を構えるワイナリー。
そもそもタヴェルとは、フランス南部のローヌ地方の中でもさらに南、ちょうどラングドックの少し北に位置するワイン産地です。熟成も可能なフルボディタイプのロゼワイン産地として有名です。
ドメーヌ・マビーは19世紀からワイン生産を始めるも、当初は家庭とご近所さんの消費用を生産する程度で、ワイナリーにブドウを売ることで生計を立てていました。
ビジネスとしてのワイン生産を始めたのは20世紀前半。ドメーヌ・マビーとしてスタートしたのは、そこからさらに時間がたった第二次世界大戦後の1946年でした。
ロゼワインの銘醸地として知られるタヴェルにおいて、昔ながらの濃厚なロゼワインをはじめ、高品質なリラックの白ワインや赤ワインを生産しています。
近年、ロゼワインは淡い色合いでエレガントに造ることが世界的なトレンドになっており、タヴェルでもAOC(フランスの原産地呼称)を名乗るに認められるギリギリの淡い色調でロゼワインを造る生産者が増えています。
しかし、本来のタヴェルのロゼといえば、先述のように長期熟成に耐えられるしっかりとした味わいと濃い色調を特徴とするフランスで初めてロゼワインのAOC認定を受けた歴史あるワインです。*タヴェルのロゼは一定以上より濃い色調で造る必要がある
田上さんとしても、淡い色調でアルコール度数も抑えた「薄旨」と評されるロゼワインばかりがもてはやされる状況に待ったをかける必要を感じていました。
さらに、ワインエクスペリエンスは当時すでに、軽やかなドイツのロゼ、ミディアムボディの華やかなシノンのロゼを持っており、ロゼワインのポートフォリオを完成させる意味でも、フルボディタイプのロゼを持つことには意義がありました。
「とはいえ、日本は世界的に見ても、ロゼワインの不遇市場であると言えます。さらに、マビーはロゼと一口に言っても、マセラシオン(漬け込み)の時間、樽熟成の有無で3種類のキュヴェがあります。なので、初回は数量的におさえたバイイングを行いました。」
しかし、結果は想定の数倍の売れゆきで、秋に到着したロゼワインは売上が集中するはずの春を待つことなく完売したそうです。
「マビーがワインを造るリラックやタヴェルという地域は、決して有名産地ではありませんし、おそらく今後も大きな注目を集める地域ではないでしょう。しかし、良さをしっかりわかってくれる飲食関係者の目に留まり、お客さまに届くことで、少しでも日本のワイン文化が豊かになってくれればうれしいですね。
実は、タヴェルやリラックといった南ローヌはわたしがワインに目覚めるきっかけになった地域でもあるので、なおさらです(笑)」
ドメーヌ・マビーがはるばる日本までやってきた理由は
1. 淡い色調/低いアルコール度数/エレガントなロゼワインばかりが注目される当時の潮流に待ったをかけたかった
2. 取扱うことでワインエクスペリエンスのロゼワインポートフォリオを完成させることができた
3. バイヤーさんの思い入れのある産地で自身が納得して提案できるワインを取扱いたかった
ということでした。
ドメーヌ・マビーの購入はこちらから
▶ https://college.wineplus.jp/collections/domaine_maby
なんとそんなマビーの生産者が2025年5月に初めて来日します!
来日時のイベントは下記の通りです。
▶https://college.wineplus.jp/collections/interest/products/wpc091
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