4月 15, 2024
本セミナーは能登半島地震被災地支援のチャリティーワインレッスンとして、いただいた純収益はDSAT災害洗濯支援チームに寄付させていただきました。1月から3月にかけて複数回のチャリティーレッスンとランチイベントを開催し、ご参加いただいた皆様のご協力により、384,770円を寄付させて頂きました。ありがとうございます。
幾多の試練を乗り越えて天竺へ経典を取りに行った三蔵法師のごとく、ワインスクールで数多のセミナーを行い、職人芸の域に達した元場先生のチャリティーワインレッスンに参加してきました。
セミナーは、参加者の誰もが疑問に感じていた「なぜ被災地支援でオーストラリアワインなの?」というところからスタートします。
なんでも被災した富山県に本社を構えるワイン輸入商のヴィレッジ・セラーズさんへの応援の気持ちが込められているということ。そのヴィレッジ・セラーズさんが得意とするオセアニアワイン、特にオーストラリアワインが今回の試飲ワインになっているそうです。
受講者がなるほどと膝を打ったところで、次に出てきたのは真っ白なスライド。
元場先生からは「ワインを買う時に何を基準に購入しますか?」という質問が投げかけられます。
当然、価格や産地、品種といった答えが出てきます。そこですかさず白いスライドに文字が浮かび上がります。
「かつてブドウ品種という概念はなかった」
受講者の心を手玉に取るモンキーマジックならぬモトバーマジックが炸裂します。
品種という概念がいかに消費者の間に広がっていったのかを、ワインを勉強した人なら一度は聞いたことのある知識をもとに解説してくれます。知っている知識を組み替えて、新しい視座を与えてくれるのはプロに教わる醍醐味かもしれません。
「とはいえ、それと今日のテーマであるオーストラリアワインがどう関係するのだろう」と疑問に思い始めた頃、話はうまい具合に、なぜ今あらためてオーストラリアワインを飲むべきかというところに着地するから職人芸です。
気づけば目の前に3種類の白ワインが注がれています。
開始25分頃からスタートした試飲は、まずはお隣さんとの雑談もあり、ひとりで黙々と楽しむのもありのブラインドテイスティングから。
ブラインドで出されるとついつい何の品種なのか考えてしまうのがワイン好きの性ですが、「当てようとしなくていいですからね~」とここでも心を読むモトバーマジック。
果たして、ワインはというと、
1. ザ・ボーン 2021年グリューナー・ヴェルトリーナー/アデレードヒルズ
2. マーガン・プレイキング 2022年グラウンド・アルバリーニョ/ハンターヴァレー
3. ロブ・ドーラン 2021年ブラックラベル・サヴァニャン/ヤラ・ヴァレー
「当たらないよ~」という受講者の気持ちに対して、だから当てようとしないでって言ったでしょと以心伝心なコミュニケーションが繰り広げられます。
しかし「新オーストラリアワイン」というタイトルからもわかるように、オーストラリアワインの今を知ろうという企画にはうってつけの品種セレクト。
(こんなに色んな品種が栽培されているなんてご存知でした?わたしはオーストラリア、サヴァニャンなんて考えたこともなかったです…。マルサンヌやアルネイスも造っているというのでびっくりです。)
つづいて赤ワイン。同じくブラインドからスタートして、その結果は…
4. ヴィノ・ヴォルタ 2022年ポスト・モダン・シリアシズム・グルナッシュ
5. ワラメイト 2021年シラー
6. マウント・プレザント 2021年シラーズ・ピノノワール
こちらも受講生たちから声にもならない声が漏れ聞こえてきます。この流れでオーストラリア王道のシラーを入れてくるところもニクイです笑。
試飲後も色々な質問が飛び交い、なかにはかなり専門的な質問も出ましたが、そこは百戦錬磨の元場先生、質問者の意図も汲みつつ難なく答えていきます。
ともあれ、ワイン初心者~中級者くらいまでなら、質問せずとも疑問に思ったことを元場先生が先読みして答えてくれるという、以心伝心の新スタイル。
受講生の気持ちが手にとるようにわかる、まさに孫悟空を掌にのせたお釈迦様のごとき元場先生のセミナー、ぜひ一度体験してみてください!
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