5月 20, 2025
「ワインってどこか遠い存在」そんな方にもワインの魅力を知ってもらうために、ワイン業界以外で活躍されるウワサのあの人にワインとの付き合い方をお聞きする企画『ユアワインエクスペリエンス』。
今回は、報道の最前線で10年以上のキャリアを積み、現在はJ-WAVE 81.3FMでラジオパーソナリティを務める吉田まゆさんにお話をうかがいました。
幼少期の数年間をアメリカで過ごした吉田さんは、幼い頃から英語のスキルと国際感覚を養います。中学生のころには、すでに海外に向けて情報を発信する国際放送の仕事を志すようになっていたと語ります。
「幼少期を海外で過ごしたと言うと、英語は当然ネイティブレベルと思われがちですが、わたしが過ごしていたのは小学生時代の数年間。発音はネイティブレベルでも、当時の使う単語や言い回しは子供のそれでした。」
将来は英語で報道ともなると、並々ならぬ努力が必要であったのは言うまでもありません。
努力の甲斐あって、慶應義塾大学総合政策学部に合格。大学を卒業すると、共同通信社に英字新聞記者として入社し、その後もNHKワールドの経済レポーターとして金融ニュースを担当、さらには日本人女性初の英語キャスター特派員としてロイター通信に採用されます。
テレビ業界で報道の仕事なんていうと、とても華やかな世界をイメージしがちですが、特派員時代は、東京という世界でも有数の大都市のすべてのニュースをほぼ一人でカバーすることが求められ、ネタ探しから、キャスター業務、記者としての仕事、時にはカメラマンまで日系のテレビ局員であれば十数名体制で行う作業を一身に背負っていたというから驚きです。
さらにすごいことに、そんなハードワークの傍ら、プライベートもしっかりこなし、産後二カ月で仕事復帰するなどのスーパーウーマンっぷりを発揮しながら、仕事と二児の母を両立していたそうです。
しかし、特派員としてのひとつの目標であったオリンピック取材の実現、第三子の出産という出来事もあり、2022年からキャリアブレイクに入り、仕事から一転、育児にPTAにと精を出す日々へ。
キャリアブレイクも2年近くなり、今後について考えていたときに、現在のJ-WAVEラジオパーソナリティの依頼があったそうです。
「日本語での生放送も初めてでしたし、24時間365日変わり続ける報道の世界に長年身を置いてきた自分としては、2年間のブランクで強みを失ったような気持ちでしたが、キャリアウーマン時代にはなかった主婦時代に得た新たな物事の視点も入れたら、これまでの経験と新しい視点が活かせる仕事に違いないと二つ返事で応えました。」
現在は毎週月ー木の19時から21時45分JAM THE PLANETの月火パーソナリティとしてご活躍されています。
そんな吉田さんのハードワークを聞くと、酔っぱらっている暇なんてないのではないかとも思ってしまいますが、
「報道では取材のための関係構築と話のきっかけは大事です。特派員時代は政界、経済界、スポーツなど様々な業界の重鎮にインタビューする機会もありましたが、ワイン好きが多かったのでアイスブレイクのきっかけにもなり、大事なビジネスツールであり、それが趣味に転じていきました。」
吉田さんとワインとの出会いは、社会人になりたての20代前半までさかのぼります。
お世話になっていた取材先の方に、ワイン会に連れて行ってもらい、各界の錚々たる顔ぶれがいる中でワイン会デビューを果たします。
ワインのテクニカルなことはわからなかったものの、数をこなすうちにワインから広がるご縁や味わいに魅了された吉田さんは、徐々にワインの世界に傾倒していきます。
「日本未入荷のワインや作り手のストーリーを発掘する作業が楽しい」と語る吉田さん。
そのきっかけとなったのは、10年ほど前に訪れたナパヴァレー。
有名ワイナリーがひしめくナパで滞在先のスタッフがこそっと教えてくれたのが、
当時小規模家族経営のワイナリーTurnbull(ターンブル)。まだ海外輸出もしていませんでしたが、いざ訪れるとワイン通がセラーに集っていました。
「当時は価格もかなりお手頃で、口コミを頼りに来た人が多かった。日本に入ってきていないワインのストーリーがたくさんあるのでは」と感じた旅だったそう。
なんと今では、趣味とキャリアを公私混同させた”WINE & NEWS”という「ワイン一杯から時事問題を紐とこう」をテーマにしたラジオ企画も立ち上げるほどワイン好きだとおっしゃいます。持ち前の思い切りの良さと交渉力で、来日中のモルドバ大臣にモルドバワインを語ってもらうといったこともあったそうです。
また、ここWINE PLUSで購入したニュージーランドワインがきっかけで、ワインの産地マールボロ、マーティンボロやワイヘキで朝から晩までワイナリー巡りをし、KUSUDA WINESさんやFolium Vineyardさんにも直接お話を伺ったそうです。
「ニュージーランドには看板すらないワイナリーが多いですが、子連れでも大歓迎で、想像以上の魅力が詰まっていました。」最近はそのような魅力を伝えきれていないワイナリーや産地を効果的に発信していくことにも携わっているそうです。
報道の第一線でジャーナリズムを体現してきた吉田さんに、ワイン業界とメディアについてうかがってみました。
「そもそも、私はジャーナリズムを中立的な立場から、物事の多様な切り口を見せるものというように定義しています。例えば、ロイター通信では『テロ』という言葉は使いませんでした。ある国にとっての『テロ』行為は、また別の国にとっては『正義』かもしれないからです。」
先述の”WINE & NEWS”企画でも、その点には注意を払っているとのことで、取り扱うワインをプロモーションするのではなく、あえてジャーナリスティックな視点を入れることで、その裏の社会背景や歴史に触れることで魅力や面白みを感じてもらえるように心がけているそうです。
過去にアジア人初のマスター・オブ・ワインを取材したときにも、「女性」で「母」の「アジア人」がワイン界最高峰の資格を取得したという壮大で華やかな成功物語に仕立てるのではなく、話を聞く中で感じ取った「親近感」が彼女の「(MWを)狙わずに積み上げていった」結果だと感じ、『アジア初のマスター・オブ・ワイン — 育児の隙間時間で「好き」を極めた女性の挑戦』という部分をタイトルに持っていったそうです。
今も自分のこれまでの経験が活かせる環境なら、色々なことに挑戦していきたいという吉田さん、報道のど真ん中で活躍してきた彼女だからこその記事執筆や広報の仕事を依頼したい方は下記のインスタグラムから!
●J-WAVE JAM THE PLANET:JAM THE PLANET | 毎週月曜-木曜 19:00-21:45 | J-WAVE 81.3 FM RADIO
●Instagram:Mayu Yoshida 吉田まゆ(@mayuyoshidanews) • Instagram写真と動画
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