12月 07, 2022
いま、広尾がワインの街になりつつある。
広尾のワインの歴史を見てみよ。
1989年にエノテカ広尾本店が誕生し、2005年には広尾橋交差点にヴィノスやまざき広尾店がオープンした。
この二店舗については、ご存知の方も多いはずだ。
2010年には、ナパ・ヴァレーのワイナリーの開設と同時に第一号となる直営店ケンゾーエステイトワイナリー広尾店が開店している。
しかし、2022年に入ってのワインの街としての進化はめざましいものがある。
2022年1月には西麻布の交差点につながる大通り沿いにワインバー/ワインショップ/ワインスクールをかねそろえたワインの館WINE plus COLLEGE、同年10月にはピノノワールとシャルドネに特化したTHE CELLAR Hiroo、11月にはリカーマウンテンによるRAKZEN広尾、12月にはフランス・パリ創業の老舗ワインショップルグランの初となる海外旗艦店ルグラン・フィーユ・エ・フィス東京が続々とオープンしている。
ただワインショップが集まっている街は他にもあるかもしれない。
しかし、ワイナリー直営店のケンゾーエステイトワイナリー広尾店、ワインスクール併設のWINE plus COLLEGE、1880年創業の歴史あるルグランの存在など単なるワインショップの枠を超えたワイン文化の担い手が集まってきていることが非常に印象的だ。
では、なぜワイン文化の担い手が続々と広尾に集結しているのだろうか?
この問いを考えるにあたって、1989年開店と歴史が最も古く、2022年現在国内66店舗をほこるエノテカ広尾本店の存在は大きいだろう。
また大使館の多さも注目すべきポイントだ。現在日本にはおよそ150か国の大使館が存在しているが、広尾周辺に住所を置いている大使館の数40か国近くにおよぶ。
当然そのため外国人の数も多く、ワインの需要も必然的に高くなる。
実際に夕刻時の広尾の街を歩くと、街のカフェやバーではアペロを楽しむ外国人の方も多く見られる。
さらに注目しておきたいのが、広尾という立地だ。
そもそも広尾周辺に大使館が集まっている理由の一つとして、高台となっている立地で湿度が低く、比較的過ごしやすい地域であることが挙げられる。
つまり、広尾は海外ワイン産地と同じく、湿度の低いカラッとしたミクロクリマを持っている、という見方もできる。もしかしたら、広尾はなるべくしてワインの街へと変貌を遂げているのかもしれない。
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