トムソンのフラッグシップ。2017年は開花期にかなり風が強くまた開花自体も遅れ、続く生育期を通じてやや冷涼なヴィンテージとなった。しかし小さい果実を付けエキスは凝縮し、高品質の収穫に恵まれた。オタゴのロウバーン、ピサの斜面になる14haの自社畑、4つの異なる区画のいずれかより7種類のクローンを使用している。手摘みで収穫後に28%を全房にて、全て野生酵母で発酵を行い、木樽で11ヶ月の熟成(16%がフランス産新樽を含む)。トータル生産本数はおよそ9,900本とやや少量だった。Alc.13%。 現在まさに飲み頃に差し掛かっていると思われ、赤系果実のたおやかさと黒系の芯のある香りが絶妙に折り重なっている。程良くこなれたミディアムなアタックで滋味深く果実の広がりを感じさせ、余韻もかなり長い。
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ピノ・ノワール100%
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【生産者の説明】
Domaine Thomson / ドメーヌ・トムソン
フランスのブルゴーニュとニュージーランドのセントラル・オタゴ。この2つのエリア、つまり北半球と南半球を代表するピノ・ノワールの産地でワインを造る唯一の造り手がドメーヌ・トムソン。この地で生まれ育った当主デヴィッドの高祖父(祖父の祖父)、ジョン・ターンブル・トムソンはニュージーランド初の測量技師で、 1850年代にセントラル・オタゴを探検して地図を作成し、オタゴの葡萄畑を見下ろす美しい山々、特にピサ山脈とセント・バサンズ山脈は彼によって命名された。「サーヴェイヤー・トムソン」としてオタゴの地にはっきりとその名を残しており、オマージュとして同社のフラッグシップワインの名称にも冠せられている。所有する葡萄畑はクイーンズタウンの空港から約1時間のセントラル・オタゴ地区サブリージョン、ロウバーンにあり、2000年に購入後、2011年にオーガニック、2013年にビオディナミに転換。2014年から「ビオグロ」(BioGro)より完全にオーガニック認証を得た。ダンスタン湖を臨むピサ山の斜面に広がる畑に3頭の牛を飼育し、ハーブやカバークロップを植えて、プレパラシオンも自社で造っている。当主の妻PMチャンは「ビオディナミに転換したことで、畑の生命力が豊かになった。ミツバチが飛び、鳥が飛んでくる」と語る。ピサの畑は複雑な地層の構成で斜面上部の区画ムーン・ブロックは45万年前、下部に広がるテラスおよびサウス・ブロックの区画は15万年前の地層になるという。北東向きで黄土と粘土を含む深い砂利の畑にデイビスとディジョンの複数のクローンを含むピノ・ノワール1品種のみを栽培している。発酵には全て野生酵母を使用し、醸造全般において基本的に不介入主義での自然な醸造を旨とし、極めて丁寧に管理された葡萄畑の明確な個性を反映させるワインを造り出している。
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